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悪亜
構成員
とある孤児院の監査人だった男。今は悪の組織『BadEndParade』の一員。
バッドエンドパレード
異常青少年収容施設『孤児院かがやき』の監査人として派遣された会社員だった彼は、同僚から聞かされていた「あそこは地獄だ」という噂に若干怯えながら、まるで監獄のような重い扉を開いた。朗らかな微笑みを浮かべる施設長に長旅を労われるような歓迎を受け、暖かなムードで働く職員と、そこで伸びやかに暮らす40名程度の未成年利用者を横目で見ながら施設内を案内され、聞いていた実情と良い意味であまりにも乖離している実態に初めこそ動揺した彼だったが、居心地の良い空間はあっという間に彼を受け入れ、彼もまたそれを受け入れた。ただ、地下へ続く階段のある扉には近づくことを禁じられながら、気が付けば任期の半分が過ぎていた。ふと、『卒業』した利用者の幽霊が禁じられた扉から呼びかけてくるという話を聞きつけ、施設調査という労務半分、好奇心半分に彼は扉を開いてしまう。事実を知って、廊下を転がるように引き返す彼に『幸福薬』を注射した施設長が追い縋って弁明する、およそ受け入れがたい真実の裏付けのように、拘束され発狂した『卒業生』の瞳孔を網膜に焼き付けてしまった彼は、自分と笑顔のよく似合った長い黒髪の施設長との間にいつしか芽生えた恋心に、どう向き合えばよいかもわからないまま慟哭を噛み殺す。時を同じくして、ジャスティンによる大量殺人事件の幕が切って落とされたことを、この時の彼は知らない。
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