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​うにちゃん

単眼少女

​捨て子、精神的に幼い

出演「明日死ぬために生きている」

それは単眼であり少女。それは異質であり化物。それは未知であり危険。それは亜人であり脅威。それは純真であり吉凶。それは子供であり災い。それはわかりやすく不明瞭。それはおそろしく不気味。それはひどく不格好。それはとびぬけて不可解。それは忌むべき破滅。それは拒むべき崩落。それは断ずべき異常。それは流すべき不浄。それは貶めるべき異端。それは恐れるべき失墜。それは触れざるべき奇異。それは摘むべき不安。それは殺すべき悪魔。

そして、それら全ては、男にとってどれも取るに足らない。些細な祝福。

優しく、あどけなく、微笑む顔の良く似合う、お姉さんのようで、娘のようで、母のようで、陽だまりのようで、温かく、触れると柔く、澄んだ視線を持ち、素朴な疑問を抱き、はにかみ屋で、自信家で、時に無謀で、ひたむきで、成長を恐れず、思いやりに溢れ、イチゴ味を好み、艶やかな髪の房は日の光を反射し、平気で床に寝ころび、穢れを知らず、背中によじ登り、読書を妨げ、眠りと健康を半ば強要し、黙って背中を見守り、目ざとく心を見透かし、無償の愛によって抱き留めることを惜しまず、無防備で、なんでもなく、美しさすら持ち合わせ、その存在は、今まで知りもしなかった、孤独の意味を思い知らせる。

この娘が悪魔であったなら、どれほど楽だっただろうか。

​この娘が天使であったから、これほどまでに、呪われてしまう。

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